前述しましたが、質の良い卵胞(グレードの良い卵胞)を得るためには鍼灸は非常によい効果が期待できます。また胚移植後の着床を助け、妊娠を継続させるにも良い効果があります。
体外受精後、分割胚の状態が良くない、卵胞のグレードを上げる効果も鍼灸治療にはあるようです。
ドイツとアメリカでは、鍼治療を受けたものと受けないものについて、胚移植の成功率に明らかに優位な差があった、という報告があります。
『英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版』
2009/02/07掲載 日本語はhttp://www.yakuji.co.jp/entry5803.html
実験者:米メリーランド大医学部 Eric Manheimer医師
対象:体外受精(IVF)を受けた1366人に対する7試験
『いずれの試験も、胚移植から1日以内に鍼治療を受けた女性と、疑似鍼治療(sham acupuncture:ニセの鍼治療)を受けた女性または鍼治療を受けなかった女性とを比較していた。その結果、鍼治療を受けた女性は、そのほかの女性に比べて妊娠する確率が65%高かった。』 というものです。
興味深いことですが、この試験でもともと成功率の高いケースの場合は鍼治療を行った・行わなかったの差はなかった、と言うことです。
逆に、失敗率が高いような条件の悪い症例(情報が不足していますが、母胎が高齢であるとか、過去に失敗したことがあるケースなどでしょうか)では、鍼治療を行ったケースの成功率が高かった、ということが分かります。
この試験では、鍼治療(海外、特に欧米では灸治療はほとんど行わないので『鍼治療・ハリ治療と呼ぶことが多い』)が高度先進生殖治療の補助に有用である、と結ばれています。
当院では、これまでIVFで成功しなかったケースで、鍼灸治療を行うことによって子宝に恵まれた(2度失敗で、3度目に成功されたケースや、一度IVFに失敗しながら、鍼灸治療を数ヶ月行って2度目のIVFでは男女双子の子宝に恵まれたケースもあります)ケースまで多数あります。
注:多胎妊娠はIVFの弱点でもあり、決して喜ぶべきものだけではないのですが、『このようなケースもあった』と言うことで書きました。
また2度のIVFに失敗されたが、3度目のIVFを目指して治療していた期間中に自然妊娠されたケースもあります。
これは当院が目指す、良い卵胞つくり+よい子宮環境つくり、卵管機能の改善が実ったものだと考えています。
最近では3度の体外受精でできなかった方が、自然妊娠されたケースが2回ありました。(平成20年5月現在まで)
しかしながら、体外受精で妊娠できなかった方の場合は鍼灸治療でも難治な場合が多いものです。 次回の胚移植で成功するように、や、グレードのよい卵胞を得られるようになど鍼灸治療での目標設定をして治療を行っているのが現実です。
基礎体温から見た鍼灸治療の効果→
▲トップへ
|