鍼灸が体外受精の成績を向上させる可能性について

三瓶鍼療院の鍼灸併用時の体外受精での妊娠率 鍼灸治療は、体質を改善することにより妊娠につながる良い状態の卵子の獲得を目指したり、着床・妊娠継続のしやすい子宮の環境を目指します。

 

加えて、採卵後や胚移植前後の治療は体外受精の成功率を上げる可能性があります。

 

 

※画像について

(平成24年1月~12月末日までに当院に初診で来院した体外受精経験者の治療結果)

24年中に初診で来院し、一定期間鍼灸治療しての、凍結胚移植、または採卵+胚移植の1回目の結果です。 

当院来院前に5回程度の反復不成功の難治な方でも、化学的妊娠を含めると60%以上の確率で妊娠判定で陽性となります。

毎年、このような難治な患者さんでも何名か自然妊娠される方がいらっしゃいます。

 30歳以下の方3名はすべて1回目の胚移植で妊娠されましたので、全体の妊娠率は64%になりました。

 

 

 

採卵したあと、卵子分割・胚の成長が良くない方・卵子のグレードが低い方へ

30歳以上で卵巣の働きが悪かったりすると、採卵の成績が悪く、あまり採卵した数が少なかったりします。

その場合は、後述する『採卵のための鍼灸、採卵を目指す鍼灸』を継続すると良いです。

 

また採卵後に受精して、その後胚の成長があまり良くない方途中で胚の成長がストップしてしまう方、胚盤胞まで成長しない方など、卵子の問題だけではなく精子にも問題がある場合が多いです。

 

鍼灸を行うと、精子の運動率が改善することから、精子の質が改善する可能性も十分あります。

ぜひご夫婦ともども治療を受けてみてください。

 

 

 

 

採卵を目指す場合の治療と治療期間

主として、体質の改善を基礎治療に、卵巣機能向上・卵胞・卵子の質の改善の治療を行います。

 

AMH(抗ミューラー管ホルモン)の数値や実際の年齢、これまでの治療歴、基礎体温などを考慮して、卵巣予備能に余裕があるようでしたら6周期治療をします(最初の3ヶ月は2週に3回~1週に2回、それ以降は週に1回~2週で3回程度)。

 

良好な卵子が採卵できない場合、薬や注射の反応が低く、卵胞が順調の育たないと言った低反応卵巣の場合は、十分な効果が出るまで6ヶ月~8ヶ月くらいの治療の期間を要する場合があります。

 

高齢卵巣などでたとえば卵子の老化などを懸念され、のんびり6周期も治療することがむずかしい場合は、週に2回~3回の治療を2ヶ月~3ヶ月程度行いその後排卵誘発や採卵を続けながら鍼灸を継続する場合もあります。

 

採卵後は、腹腔や卵巣周辺などにダメージが残りますので、早期に鍼灸を行うと胚移植の成功率が高くなることがあります。

 

軽度のOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の場合、鍼灸を行うと回復が早いです。
新鮮胚移植は、多くは採卵後3日くらいで胚移植となります。できるだけ採卵後は早く鍼灸を行いましょう。

 

採卵後は良い状態で胚移植を受けられるよう、(2)黄体機能向上と子宮環境改善も同時に行います。

 

 

 

 

 

胚移植を受ける際の治療と治療期間

主として、体質の改善を基礎治療に、黄体機能向上と子宮環境改善の治療を行います。

 

特に体質では子宮内膜症体質の改善が着床に非常に大切です。

これまで子宮内膜が薄くて胚移植できなかったことが何度かあった場合は、まず2週に3回程度の治療を3周期行います。

 

黄体ホルモンが、胚移植後にがっくり下がるような方も上記と同様です。

 

子宮内膜の厚さにあまり問題なく、胚移植が何度か不成功な場合は2週に3回の治療を2周期程度(治療12回程度)行います。

ホルモン補充周期移植、自然周期移植とも、当院独自の方法で対応いたします。

 

なお、妊娠判定で陽性が出た際は、鍼灸治療はもうしばらく継続いたします。