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不妊症と鍼灸(はりきゅう)治療・基礎体温から見た鍼灸治療の効果

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基礎体温と鍼灸治療(不妊・生理不順・黄体機能不全)

 鍼灸治療の効果は、基礎体温の変化によっても確認することが出来ます。

 症例1:35歳女性
 主 訴:不妊症(不妊歴5年)、生理不順、生理痛、、冷え性

卵巣機能不全、黄体機能不全の基礎体温

 基礎体温から得られる情報から基礎体温ののあたりで排卵があったのだろうと思われますが、続く高温期が7日くらいと短く、黄体機能の弱さが疑われました。
また高温期に入ってすぐにのような体温の降下が見られ、これはあまり質のよくない卵胞を排卵しているためだろうと思われます。
のところでは無排卵も疑われ、月経もありません。
生理痛(主に下腹部痛、腰痛)も大変ひどく、月経が始まる前の日から一日目は、痛み止めの薬を服用して仕事を休んで寝ている、とのことでした。

この患者さんは10月のはじめくらいから週に一回の鍼灸治療と、自宅でのお灸を開始しました。

鍼灸治療開始後の基礎体温表

 翌年1月~3月までの基礎体温表です。
高温期への体温の上昇と、高温期の日数に徐々に改善が見られます。また苦痛であった生理痛も、薬の服用をしなくても良くなり、寝込むこともなくなりました。現在も引き続き週に一回の治療を継続されています。

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黄体機能不全と基礎体温

 次は黄体機能不全による不妊治療のために鍼灸治療を行い、1年以上と通院も長くなりましたが、無事に子宝に恵まれた症例の基礎体温の推移を見てみたいと思います。

 症例2 : 38歳女性
 主 訴 : 不妊症(不妊歴7年、人工授精5回)、肩こり、冷え性
 結 果 : 鍼灸治療開始約1年で妊娠

黄体機能不全の基礎体温と鍼灸(2)

 ちょっとだけ見ると、体温の2層性も見られますので、それほど悪そうにも見えませんが、の高温期では途中で急激な体温の降下があります。
またでは長すぎる低温期があります。
この患者さんは、病院での不妊治療も受けられています。クロミフェン製剤(クロミッドなど)による卵巣刺激と、HCGの注射による排卵誘発を行い、数年という長い期間タイミング~人工授精を行ってきたそうです。また薬物による卵巣刺激がないと、のような長い低温期が続くようになるそうです。

年齢的にも卵巣や子宮、また様々なホルモンの分泌も狂いがちで、冷えや肩こりも大変辛く、患者さんの意向で数ヶ月病院での治療を休んで鍼灸治療を行いました。

黄体機能不全と鍼灸(やや改善)

 鍼灸治療開始後6ヶ月くらいの基礎体温です。薬物は一切使用しなくとも、低温期が短縮し、またと次第に高温期も良好な状態になってきました。

黄体機能と鍼灸(ご懐妊へ)

 さらに治療を続け自然妊娠を目指しますが、なかなかいい結果が出ないので、鍼灸治療を続けながら人工授精(AIH)を行うことにしました。その結果、1回目(通算6回目)の人工授精でご懐妊となりました。

 以上のように、基礎体温の変化から婦人科疾患、特に不妊症に対する鍼灸治療の効果を見てみました。
多くのケースでは、鍼灸治療を行いながら自宅でのお灸を行うと3~8ヶ月で基礎体温上で良好な経過を得ることが出来ます。
しかしながらケースによって鍼灸治療だけでは『子宝を得る』という最終目標に到達することが難しい場合も多いようです。私は、様々な複雑な原因が絡み合う不妊症は、西洋医学と手を結ぶことでよりよい結果が生まれると考えます。

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 基礎体温表に記入するのは、体温の推移だけではありません。
 月経の開始日や終了までの、経血の量や色調の変化、性交渉のあった日、また自然妊娠を意識すれば、特に大切なのが頚管粘液の分泌の状態です。

 排卵日付近に現れる、粘調を帯びたおりものは、成熟した卵胞が出来上がり、排卵が近づいた事を知らせます。

 不妊歴が通算で11年で体外受精を3回行っても妊娠せず、基礎体温とこの頚管粘液の分泌の注意して鍼灸を行い、2年6ヶ月、通算13年6ヶ月で自然妊娠された方の基礎体温を見てみましょう。

 症例1 : 34歳女性
 主 訴 : 不妊症(不妊歴11年、AIH3回、顕微授精による胚移植3回)、
       生理不順、生理痛、冷え性
  結 果:鍼灸治療開始2年6ヶ月、
      不妊歴13年6ヶ月で自然妊娠(37歳時)

基礎体温

 当院に来院するまで、排卵誘発+タイミング、排卵誘発+人工授精、顕微授精による体外受精3回と、それこそやれる治療はすべて行った、という状況でした。

 

基礎体温2

 基礎体温を見るとまず目に付くのが不安定な高温期で、低温期と高温期の境がないような周期や、低温期だけ異常に長い周期もありました。

 患者さんによると、様々な治療を行う前は、きちんと30日くらいの周期で生理が来ていた、また基礎体温も綺麗な2層であった、と言うことでした。おそらく、長きにわたって続けてきた排卵誘発や、体外受精による胚移植の時に行うhMGによる強力な排卵誘発や、移植後の黄体補充によって自然な状態が乱されたのでしょう。

 またもともと月経の前後に月経痛や体調不良で寝込んでしまうような症状もあったので、もともと『血の道』と俗に言われる婦人科関連の血行などが弱い体質であったのかも知れません。

基礎体温・頚管粘液

 鍼灸治療を開始後6ヶ月経過した頃のBBTです。
 以前はあまりなかった頚管粘液が現れるようになりました。卵胞の状態が改善したことと、子宮頚管の反応性が良くなったのでしょう。自然に黄体期の状態も綺麗な高温を表すようになってきました。

 ただし、頚管粘液の自然な分泌は、一般的には排卵時期の数日だけです。一ヶ月近くもとぎれとぎれに続く分泌は明らかに異常です。

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基礎体温4

 治療開始後1年半あたりの基礎体温です。

 基礎体温も、まぁまぁの2層性を表し、また周期も32~30日程度に落ち着いてきました。頚管粘液の状態が改善し、まだ少々長いですが、排卵日時期に限られた分泌となりました。

 このころから市販の排卵チェッカーを使って頂いてタイミングを取って頂くように指導しました。

基礎体温5

 

 タイミングを約一年にわたって試して頂きましたが、なかなか妊娠できないので、患者さんの年齢も考慮していったん病院へ紹介して並行して治療を行うことにしました、が、紹介先の病院で検査期間中に自然妊娠されました。その間も鍼灸は続けて行っていました。

 

このケースの詳細は下記に掲載しています。

http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=712

http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=713

 

あてにならない基礎体温もあります

 毎朝記入し、一喜一憂する基礎体温ですが、必ずしも綺麗にならないと妊娠できない、とか、あまり心配する必要のない場合も多く経験します。

 大切なのは、下記の事だと思ってます。

  ・規則的な周期で月経があるか
  ・低温層と高温層の2層性があるか
  ・体温の推移以外に、排卵時期に粘調のあるおりものがあるかどうか

 実際に下記の症例をあげておきます。

  ・http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=698

  ・http://www.sanpei89in.com/diary/diary.cgi?no=699

 基礎体温ばかり気にする必要はありません。

当院では、低温期(卵胞期)、高温期(黄体期)それぞれとも患者さんに合った治療方針を立て、治療点(ツボ)を処方して治療を行っています。基礎体温表をお持ちの方は毎回お持ちください。


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