突発性難聴も、当院では良く扱う疾患です。
ただし、発症から一か月以上経過してからの場合などは、治りがたいへん遅い場合があります。
耳鳴り、難聴、なども鍼灸は効見込めます。
中耳炎は、なかなか治りにくい滲出性中耳炎なども、日数ががかかりますが改善する方は多いです。
当院では、必要があれば簡易式ですがオージオメーターで聴力を測定しながら客観的に鍼灸治療の効果を判定しながら治療を継続していきます。
突発性難聴など、耳鼻科疾患で当院の治療のポイント
(突発性難聴)
急性期(発症から1週間以内)の場合、入院などしていない状況であればなるべく1週間は毎日治療を行うと改善しやすいです。
退院後などの場合、一日おき~週に最低でも2回は治療し、4週間程度続けます。その後聴力測定を行いながら治療の頻度を変えていきます。
(耳鳴り)
肩こり、首こりの治療を特に行いながら、脳の興奮による音の感受性を下げる目的で鍼灸を行います。慢性の場合はたいてい強いコリが首肩や背中に見られ、こうした治療が奏効することがあります。同時に、不眠や睡眠障害などが伴いやすく、この治療も同時に行います。
(低音難聴)
内耳の浮腫などで水分が多くなると低音域の音は減衰しやすくなります。耳鼻科に受診すると、たいてい原因はストレスだろうといわれます。若めの女性に発症しやすく、当院では不妊治療中の方によく見られ、ほとんどの方が強い肩こりを持っています。とにかく内耳の血行を改善し、水分の抜けを良くする目的で治療しますが、効果が良い疾患です。
(中耳炎)
内耳の血行を改善する目的で耳鼻科でも温罨法を行いますが、当院では安全な低出力レーザーを用いて鍼の打てない鼓膜の内側を緩やかに温め、内耳の血行を改善させます。
鍼灸と併用する低出力レーザー
当院ではほとんどの耳鼻科の関連する疾患には、低出力レーザーを使いながら鍼灸治療の効果を上げていきます。
下記は耳孔にレーザーを照射しているところですが、耳の内部がほんのりと温かくなり、たいへん気持ち良いです。
鍼灸のみ、レーザーのみ、ではなく、それぞれの長所を取り入れると良い効果が得られます。
下の2枚の画像を見ていただくとわかりますが、非常に透過性の高い光線治療です。
鍼が届かない、打てない場所の血行を改善します。
鼓膜透過の低出力レーザー
小児への鼓膜透過、鼓室循環改善レーザー
5歳女児の中耳炎の治療画像
熱い、痛いなどの苦痛が全くなく、むしろ柔らかい温感が気持ちよく、子供でも無理なく照射できます。
突発性難聴の臨床例
下は退院直後から鍼灸治療を開始した突発性難聴の患者様の聴力の回復状態です。
20日間・7回治療後のものです。
図の、赤のボールペンは健全な右耳で、黒が患側の左耳となります。
●500Hzの低音
計測不能(70デシベル以上) → 30デシベルへ回復しました
健側の右耳も、さらに聴力が上がっています。
●2000ヘルツ
55デシベル → 15デシベルへ改善