運動器系疾患の鍼灸では、腰痛がいちばん来院の頻度が高いようです。
20〜30代では椎間板ヘルニアが多く、症状の激しい患者さんが多いようです。
症状の強い場合には、整形外科での治療を第一にして、その次の手段として鍼灸治療を選ぶべきと考えます。
椎間板ヘルニアの鍼灸治療の場合、ヘルニアの痛みのせいで、痛みのある方の足全体の血行が悪くなり、痛みのほかに冷たく感じたりすることが良くあります。
鍼灸治療を行うことにより、ヘルニアを起こしている椎間板付近の炎症がおさまってきやすくなり、また足全体の血行が改善することにより、症状が良くなっていきます。
ただし普通の腰痛に比べると、治療期間はだいぶ長くなることが多いようです。
通常、足まで痛みやシビレがある場合は20回程度、腰までの痛みの場合は10回程度の治療が必要なようです。
40代以降は、慢性的な腰痛が大変多くなり、これは鍼灸治療が一番効果があるようです。体を支える腰椎付近の筋肉などの慢性的な疲労や、腰椎の老化による変形などが出てくる年齢ですが、痛みがあるときは集中的な治療を行い、また改善したあとでも疲労回復を意識した管理的な治療を月に2回程度行うと、腰痛の再発がずっと少なくなっていきます。
特に女性の場合、60代以上になってくると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による腰椎の圧迫骨折などが多くなってきます。この年齢での急な腰痛の発症の場合、整形外科での診察や治療が第一となります。ただし鍼灸治療も効果があり、骨粗鬆症が慢性的な経過をたどっている場合など、背骨付近の筋肉の血行を改善し、慢性の疼痛を和らげ、治癒を促進する働きがあります。