福島県白河市の鍼灸院、日常の鍼灸治療の診療日記や、学会参加記、趣味の日記
当院に通われている患者では、排卵日を予測する市販のチェッカーを使われている方が多いようです。
尿中のLHホルモンの急激な上昇(LHサージ)のあと、約36時間で排卵するという体内の仕組みを利用したタイミング法ですね。
チェッカーで反応が出た後、どのくらいの時期が妊娠しやすいのか?と訊かれることがあります。
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上の図を見て頂くと分かりますが、排卵時、排卵後の性交では妊娠する確率が著しく低いことが分かります。
データでは、排卵前2日あたりが一番妊娠率が高いことになります。
ところが(女性)不妊症の原因の一つに、排卵障害というのがあります。
LHサージが起こってもスムーズに排卵できなかったり、またそもそも卵胞の発育があまり良くなくて、そのために排卵がうまくいかないことも多いようです。
こういった障害にも鍼灸はよい効果があります。
話しを戻せば、チェッカーで陽性になっても、尿検査を行ったときにちょうど陽性になった、と言うわけではありません。
結局は何度かチェッカーを使って体調の変化(基礎体温・また粘調性の帯下の出現など)とチェッカー陽性日の関連を感じ取り、排卵する前からタイミングをとれるようにする、と言うことが大事なようです。
それからもっと大切なことは、一発必中ではたいてい外れます。下手な鉄砲・・・とはあまり良い言い方ではありませんが、数日間は連日励まれた方がよいだろうと思います。
さかご(骨盤位・逆子)でもないのに帝王切開になる原因の一つに、胎盤が子宮口付近に成育する前置胎盤があります。
原因については、受精卵の着床部位が低く、子宮口付近に着床すると前置胎盤になりやすい、などという説もありますが、定説はないようです。
軽度の前置胎盤の一つとして、胎児の頭より胎盤の下縁が下になる低置胎盤というものがあります。
妊娠週数が早ければ、大きく成長する子宮につられて、胎盤も上方に移動するのが普通なようで、だいたいは経過観察し、出産月近くになって改善がなければ、帝王切開の適応になるようです。
(子宮口に胎盤の一部でもかかったり、やはり胎児の頭部より胎盤の下縁が低ければ、胎児の娩出時に出血が大きくなりやすく、リスクの大きい出産となる、とのこと)
二人目不妊で当院で治療をして無事自然妊娠(一人目も当院の治療で自然妊娠され、無事女児を自然分娩されています)された39歳女性で、妊娠32週5日(32W5D)が、この低置胎盤のため治療に訪れました。
幸いにも改善し、自然分娩が可能となりました。
当院では妊娠後の鍼灸は、特に当院で不妊治療をされていた方には妊娠20週まですすめています。心拍が確認できるまでは週に一回で、その後は2週に一回程度の頻度で鍼灸を行います。
妊娠初期から安定期までの治療は、母胎の状態を安定させ、日々大きくなって行く子宮の血行を良い状態に保ち、無理なく自然分娩できる体を作る効果があると思っています。
※記事中の写真は、メディックメディア刊 『病気が見えるVol.10 産科』P110,P111より
『不妊治療のススメ』シリーズも、縁あって山形で講演させて頂きました。
昨年秋の青森・八戸バージョンより30分延長したデラックス版(笑)3時間30分で実技込みでした。
実際は講演後の質疑応答が白熱しまして、実質4時間の講演となりました。
不妊カップルが10組に1組から、最近は7組に1組くらいに増えてきたと言われていて、その患者増加の要因から不妊の起こる部位と鍼灸の適応のお話しをまずさせて頂きました。
タイミングからARTまで、どのステージにいる患者さんであっても、鍼灸は良い効果があります。
私が考えている、原因不明女性不妊における軽度子宮内膜症の関わり合いなども、独善的とことわりながらお話しさせて頂きました。
やはり講演時間がこのくらい長ければ、余裕を持って様々なお話しができます。
午前中は基礎知識のお話しをさせて頂き、昼食には『せっかく山形に来て頂いたのだから』と言うことで、山形駅近くで蕎麦の美味しい店へ案内して頂き、五十嵐秀夫会長はじめ、会員の先生方と旨い蕎麦を頂きました。
蕎麦の銘店は、『庄司屋』。実はこの日連れてきて頂いて3回目の蕎麦屋さんです。あぁシアワセ。。。
食事中、産科・婦人科関連で様々なお話しをするのですが、みなさんの学識は相当な高レベルのようです。
午後は実技を中心にお話しをすすめます。
『鍼灸周期治療』と講演のために名を付けた当院の治療は、BBTをみながら、月経期を含む卵胞期、排卵期、黄体期などの時期によって配穴を変える、と言うもの。
排卵誘発効果の見込める配穴や、排卵期がはっきり分からない患者での対応、卵質の改善が見込める治療法などについてお話ししました。
また子宮内膜症が疑われる徴候や、鍼灸治療での対応、PCOSなどの無月経患者でのデリケートな鍼灸での排卵誘発法などについてお話しさせて頂きました。
この講演の前日には旧知の友人でもある山形市の麗明堂鍼灸院(http://www.reimeido.jp/)の五十嵐院長と鏡先生から大変なご歓待を頂きました。
お二人とも不妊症や婦人科には相当な学識をお持ちで、不妊症や産科分野でそうとうご活躍されているようです。
山形駅から山形蔵王インターへ向かう道は立ち並ぶ山も綺麗で、晴天に新緑がまばゆいばかりでした。
天気も良く、人も良く、美味しいものをたくさんご馳走になり、たっぷり時間を取って頂いて講演させて頂けたことに感謝いたします。